ウガンダの井戸を直したい。SUNDAさんと描いた、技術の「恩返し」

よろず相談の「繋ぐ力」が、海を越えてアフリカの地で大きな実を結んだ象徴的な事例があります。それが、スタートアップ企業「SUNDA(スンダ)」さんとのプロジェクトです。
きっかけは、京都府・京都産業21が主催する「エンジェル交流会」。そこで登壇したSUNDA 坪井さんの「アフリカ・ウガンダの井戸を直したい、水問題を解決したい」という熱いプレゼンが、京都産業21の担当者を通じてよろず相談へと持ち込まれたのです。
ウガンダでは、多くの井戸が故障したまま放置されています。理由は、修理する技術や部品がないこと。SUNDAさんは、井戸の利用状況をリモートで監視し、料金を回収することで持続可能な管理を目指していました。しかし、それを実現するための「壊れにくい、かつ現地で直せるデバイス」をどう作るかという壁にぶつかっていたのです。
「この話を聞いた時、これは単なる一個社の仕事じゃない。京都試作ネットが総力を挙げて取り組むべきプロジェクトや、と直感したんです」
松岡さんたちがそう振り返る通り、そこから約3年に及ぶ、長くて熱い伴走が始まります。相談は、単に「モノを作って渡す」ことでは終わりません。日本の高度な技術をそのまま持ち込んでも、現地で修理できなければ意味がない。そこで彼らが提案したのは、徹底的に使う人に寄り添った「キット化」でした。
松岡さん
「現地の人がドライバー一本あれば、自分たちで組み立てられて、メンテナンスもできる。難しい技術を、いかにシンプルに、誰でも扱える形にするか。ここに僕ら試作ネットの30社以上の知恵を詰め込みました」
ある会社は耐久性の高い部品を考え、ある会社は組み立てやすい構造を設計する。「この部分なら、あいつの会社の技術が生きるな」と、仲間に繋いでいく。長年の信頼関係があるからこそできる、試作ネットメンバーならではのスピード感です。

松岡さん
「一番嬉しかったのはね、30代、40代の若い彼らが、僕らみたいな『うるさいオジイサン』のアドバイスを素直に聞いて、一緒に泥臭く汗をかいてくれたこと。彼らの情熱に僕らも動かされたし、自分たちの経験がこんな風に世界を良くすることに繋がるんや、と改めて教えられた気がします」
このプロジェクトは、ウガンダに新しい雇用を生み出し、村の人々が自分たちの力で「命の水」を守り続けられる未来を切り拓きました。大企業かスタートアップか、あるいは国内か海外かといった垣根を超え、その「想いの本気度」にプロが本気で応える。これこそが、よろず相談が目指すものづくりの真骨頂なのです。
