失敗は最高の教科書。未来へつなぐ恩返しと、素敵な“悪巧み”
なぜ、多忙な経営者たちが、これほどまでに無報酬に近い活動に身を投じるのでしょうか。 衣川さんは、自身の想いを「恩返し」という言葉で語ってくれました。
布川さん
「僕らも若い頃、たくさんの先輩や仲間に助けられて、失敗もたくさんさせてもらって、今日まで来ました。その恩を、今の自分たちが持っている知恵や経験として、次の世代に返していきたい。もうね、これが僕らの役割やと思ってるんです」
小島さんは、いたずらっぽく笑いながら続けます。
小島さん
「僕はただ、ものづくりが大好きなんです。面白いアイデアを聞くと、『どうやって形にしようか』ってワクワクして、夜も眠れなくなる(笑)。相談に来る人の『困った』を、僕らの技術で『できた!』に変える。あの瞬間の笑顔を見たら、もうやめられませんよ」

彼らが相談者に伝えるのは、成功の秘訣だけではありません。むしろ、自分たちが積み重ねてきた膨大な「失敗の経験」こそが、最高の宝物だと言います。
松岡さん
「成功する道は一つじゃないけれど、失敗するパターンというのはだいたい決まっています。僕らが過去に犯した手痛い失敗、無駄にしたお金や時間……それを全部さらけ出すことで、相談者の皆さんが最短距離で進めるようにしてあげたい。失敗を笑い話に変えながら、最高の道を提案するのが、僕ら“1G”の意地みたいなもんですね」

拠点長の松岡さんは、この活動を『三方よし、そして未来よし』、また時には『世の中のためになるステキな“悪巧み”』と呼びます。
松岡さん
「今の活動が、10年後、20年後の日本のものづくりを支える種になるように。そして自分たちも楽しみながら、世の中を驚かせるような『ステキな悪巧み』を仕掛けていきたい。瓢箪から駒、じゃないですけれど、思いもよらないところから、すごいことが起こるのがものづくりの醍醐味ですから」
インタビューの最後、お三方は自分たちのことを「ヘンタイ集団」と呼んで笑いました。 それは、効率や損得を軽々と超えて、ただ純粋に「良いものを作りたい」「誰かの役に立ちたい」と願い、楽しむプロフェッショナルへの、最上級の敬意が込められた言葉に聞こえました。
「何か作りたいけれど、どうすればいいか分からない」 そんなぼんやりとした想いでも構いません。毎週火曜日、京都。そこには、あなたの想いを決して笑わず、真剣に面白がり、形にするために知恵を絞ってくれる、温かくて熱い「ヘンタイ」たちが待っています。

