
名高
「 『絶対また京都に来ます。』 修学旅行で訪れたある中学生が、帰り際に真っ直ぐな目でそう言ってくれたんです。」
と語ってくれた、一般社団法人 京都試作ネットの理事でもあり、京都試作センター株式会社 代表取締役社長の名高さん(株式会社 名高精工所)。
佐々木
「実はその日、彼らは電車を乗り間違えちゃって、予定より大幅に遅れて到着したんですよ。『もう参加は無いかな?』と思ったら、彼らは『どうしても最後まで話を聞きたい』と残ることを選んでくれたのが嬉しくて。」
と熱弁してくれた、一般社団法人 京都試作ネット代表の佐々木さん(佐々木化学薬品株式会社)。
京都試作ネットが取り組む修学旅行の受け入れ。ここで語られるのは、単なる技術や機械の話じゃありません。夢の捉え方、自分の適性、そして「自分の未来をどう選ぶか」という人生の哲学です。なぜ、そんな言葉が生まれるのか。熱い想いをお二人に聞いてみました。
一通の相談から累計20校へ。対話でつくる次世代への種まき

京都試作センター株式会社 代表取締役 株式会社名高精工所 代表取締役社長
名高 新悟
名高
「もともとはね、旅行会社から相談が来たんですよ、中学生を受け入れてくれへんかって」
そう振り返るのは名高さん。約5年前、ある旅行会社から名高さんの元に届いた一通の問い合わせからすべてが始まりました。
最初は試作ネット内の企業で個社対応を行う方向でしたが、佐々木さんと話し合う中で、「これは個社ではなく、試作ネット全体で取り組むべき有意義な事業やな」と意気投合!組織としての正式な受け入れがスタートしました。
受け入れるプログラムの基本構成は、京都試作ネットの哲学を伝える「講話」と、手を動かす「体験型ワークショップ」の二段構え。何よりユニークなのは、決まり切った「固定パッケージ」が存在しないこと。来られる学校のスケジュールや人数、さらには先生方の教育目的に応じて、その都度ベストな構成を組み立てているのです。
名高
「学校によって1時間しかない学校もあれば、3時間の学校もある。先生がどういうことを望んでいるかに合わせて、講話がメインの時もあればワークショップがメインの時もある。そこはもう、その都度、柔軟に変えてやってます」
その場限りの見学ではなく、一人ひとりの心に深く届く体験にする。そのための「対話」こそが、このプログラムの核となっています。
中学生向けには、AIも活用しながら設計した「デザイン思考ワークショップ」を実施。グループで知恵を絞り、アイデアを形にするプロセスを体験してもらいます。一方、小学生向けには、薄い金属を組み立てて作る「金属トンボ制作」など、五感で素材に触れる時間を大切にしています。
初年度こそ1〜2校の試行錯誤から始まりましたが、その熱心な姿勢が評判を呼び、今では年間4〜5校、累計で15〜20校もの学校を迎え入れるまでになりました。コロナ禍で移動が制限された時期も、「せっかくの機会を止めたくない」とオンライン授業に切り替え、画面越しに京都のものづくりの熱量を伝え続けてきました。
名高
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佐々木
「自分たちの知名度はそんなにない。それでも、学びになりそうな会社としてピックアップしてくれはったのが嬉しいよね」
と、お二人は照れくさそうに、でも誇らしげに語ります。

